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・白塔山公園
黄河の北岸にある白塔山公園には、明代創建の寺院、白塔が立つ事から、この名が付けられた。白塔山の海抜は1,700m、山頂には、高さ17m、七層八面の白塔があり、上部は中国伝統の密槍式で、下部は早期インドの様式で、度々の大地震にもびくともしない。山上からは理想的な角度で蘭州の町が眺められる。東流する大黄河も両岸の古今の建築も一目で、園内の建物は全て1958年の建築で、都市計画で取壊した廟、邸宅の旧材を活用したもの。公園下の黄河鉄橋一中山鉄橋は清代の1907年に建てられ、長さは210m、幅6mである。
・五泉山公園
市の南部、五泉山駅前、標高1,600mにあり、蘭州市街、黄河を一望できる絶好の場所。この公園は漢の武帝にその才能を認められた雷去病が旬奴討伐の際、渇きに苦しむ人馬の為に5ヶ所に剣を突き刺したところ泉がわき出したという故事に由来する。園内には伝説の五泉(恵泉、甘露泉、掬月泉、摸子泉、踪泉)がある。又、宋代の1374年に創建された道教、仏教、チベット仏教の混合様式の寺院がある。その他、1894年に落下してきた噴石も公園の名物となっている。
・柄雲寺石窟
劉家峡ダムから船で黄河上流へ2時間程上がった所にある。切り立った黄河西岸岸壁に彫られた石窟で、敦煌、麦積山と並ぶ仏教美術の宝庫である。柄霊はチベット語で千仏の意味で、180余の石窟は後漢(4世紀)から随、唐、元、明代にわたり彫られたもの。窟内にはインド古典舞踏を連想させる小仏像や磨崖大仏を中心にした塑像、石像、レリーフ、壁画等が良く保存され、全体にインド様式が色濃く反映されている。特に169窟の一面の彩色絵と優美な造形の石仏が素晴らしい。美術史上、雲南石窟への大きな影響を与えている。
・麦積山石窟
天水市の東50kmにあり、中国の四大石窟の一つとなっている。こんもりと麦わらを積み上げたような高さ150mの11の絶壁に石窟が彫られている。5世紀初期から造営が始まり、現在194窟、仏像等7,000余件がある。中央の高さ16mの表情豊かな磨崖大仏は随代の造営で、全山が中国仏像芸術の集合体である。
・拉卜愕寺
夏河にあり、敷地面積82万?、寺院の外周は3.5kmある。中央最奥部に金色の瓦が一際目立つ弥勒仏殿がある。その屋根が金瓦で覆われていることから「大金瓦殿」とも呼ばれている。拉ト愕寺は信仰の中心であるとともに仏教理論、天文、暦算、医学、芸術等を学び、研究するチベット仏教学の殿堂として名高い。

 

 

 

 

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